「自己破産の手続」に関するお役立ち情報
自己破産で配当するときの流れ
1 配当する必要がある自己破産
自己破産で,債権者に分けるべき財産があるときに,管財人が財産をお金にかえて,債権者に分配することを配当といいます。
自己破産は,原則としてお住まいを管轄する地方裁判所に申立てをします。
そして,裁判所ごとに定められている基準に従って,債権者に分けるべき財産がなく,債務が増えた経緯にも問題がない場合は,同時廃止という手続きになります。
この場合は,配当は行われません。
債権者に分けるべき財産が残っている可能性がある場合は,管財人という裁判所が選ぶ第三者的立場の弁護士が選ばれる手続きになります。
管財人は,破産する方の財産があれば,生活に必要最小限と認められる財産を破産する方の手元に残し,それ以外の財産を現金にかえます。
そこで,生活に必要最小限と認められる財産しか残っていない場合は,自由財産拡張といって,自己破産しても手元に残すことが認められ,原則として債権者に分けるべき財産はないということになります。
そうすると,配当が行われる場合は,生活に必要最小限と認められる以上の財産が残っている場合ということになります。
2 配当の流れ1-財産の換価
管財人は,生活に必要最小限と認められる以上の財産をお金にかえます。
たとえば,不動産は不動産業者を通じて売却し,保険は保険会社に解約の申出をします。
保険や預金等は,破産手続が開始されてから3~6ヶ月程度あればお金にかわりますが,不動産や不良債権(支払能力に乏しい相手に貸しているお金等)は,現金にするのに1年程度かかることも珍しくありません。
3 配当の流れ2-債権調査
債権者は,法律上の優先順位に従って支払いを受けますが,同じ順位の債権者間では,負債額に応じて平等に分配されます。
そこで,負債額が正確にいくらか調査する手続が必要になります。
債権者が裁判所に証拠資料を添付して届け出て,管財人が証拠資料に照らして届け出ている債権額であっているか確認し,確定します。
仮に金額が違う場合は,管財人が異議を出し,裁判を通じて負債額を決めることもあります。
4 配当の流れ3-税金等の弁済
金融機関等の一般の債権者に配当する前には,法律上優先順位が高い税金や従業員の給料等を完済しなければなりません。
そこで,管財人は,税金や従業員の給料等の額も調査して,配当を実施する前に,換価した財産から税金等を支払うようにします。
5 配当の流れ4-配当の実施
管財人は,税金等の優先順位が高い債権を支払った後に残ったお金を,債権調査を経て確定した債権額に応じて比例配分して支払いをします。
債権調査を経て債権額が確定してから2,3ヶ月程度のうちには,配当が終わるのが通常です。